歯周病について

2023.06.05更新

 歯周病

坂戸市の歯医者【増野歯科医院】です。

 

歯周病は日本人成人の8割がかかっていると言われている疾患ですが、実は子供の頃から歯周病になってしまう可能性もあります。そこで今回は、小児期の歯周病予防として正しい方法を解説していきます。  

▼子供の歯周病にはどのようなものがあるのでしょうか?

子供の歯周病には、以下のようなものがあります。  

・歯茎炎

歯磨きをしっかり行わなかったり、食生活が乱れたりすることで歯垢や歯石が歯肉に蓄積し、炎症を引き起こす病気です。  

・歯周炎

歯肉炎が進行すると、歯肉と歯の接合部分にある歯周ポケットが深くなり、そこに細菌が繁殖することで引き起こされます。  

・咬合不良による歯周病

下顎が前に出たり、上顎が後退したりするなどの咬合不良がある場合、歯茎に異常な圧力がかかり、歯周病を引き起こすことがあります。  

・ジュースなどの甘い飲料やお菓子を多く摂ることによる歯周病

甘い飲み物やお菓子を多く摂取すると、歯に付着した細菌が糖分を分解して酸を産生し、歯周病を引き起こすことがあります。   子供の歯周病を予防するためには、歯磨きやフロスなどの正しい口腔ケア、バランスの良い食生活、歯科医院での定期的な歯のクリーニングや検診が重要です。  

▼子供が歯周病になる原因とは?

子供が歯周病になる原因には、以下のようなものがあります。  

・正しい歯磨きができていない

子供はまだ歯磨きの方法を十分に理解していないことがあります。そのため、適切な歯磨きの仕方を指導していない場合、十分な歯垢や食物の残りが歯に残り、歯周病を引き起こす原因になります。  

・食生活の乱れ

子供が甘い飲み物やお菓子を食べ過ぎると、歯に付着した細菌が糖分を分解して酸を産生し、歯周病を引き起こすことがあります。また、栄養不良により免疫力が低下し、歯周病にかかりやすくなることもあります。  

・咬合不良

上下の歯の接触が正しくない場合、歯に異常な圧力がかかり、歯周病を引き起こすことがあります。  

・遺伝的要因

歯周病には遺伝的な要因も関与していることがあり、親や祖父母が歯周病を患っている場合、子供も歯周病にかかりやすくなります。   子供が歯周病にかかるリスクを減らすためには、正しい歯磨きの方法を教えたり、バランスの良い食生活を実践したり、歯科医院での定期的な検診を受けたりすることが重要です。また、遺伝的な要因がある場合は、早期に歯科医師と相談し、適切な予防策を講じることも大切です。  

▼子供がかかる歯周病の種類について解説

子供がかかる歯周病の種類と対策方法について解説をしていきます。  

・不潔性歯肉炎(ふけつせいししんえん)

不潔性歯肉炎(ふけつせいししんえん)は、歯磨き不足によって歯垢(プラーク)や歯石が歯肉と歯の接触部分にたまり、歯肉に炎症を引き起こす病気です。歯磨き不足によって口腔内の細菌が増殖し、歯垢や歯石がたまることで、歯肉が腫れたり、出血しやすくなったりします。また、口臭や歯の黄ばみなども見られることがあります。   不潔性歯肉炎は、子供にもよく見られる病気で、特に歯磨きを習慣づけていない幼児期に多く発生します。また、口腔内の清潔状態が悪い場合や、食生活が乱れている場合にも発症しやすくなります。   不潔性歯肉炎は、早期に対処しないと、歯周病などの重篤な疾患に進行する恐れがあります。そのため、適切な歯磨き方法の指導や、定期的な歯科医院での検診・クリーニングなどの予防的な対策が必要です。  

・思春期性歯肉炎(ししゅんきせいしにくえん)

思春期性歯肉炎(ししゅんきせいしにくえん)は、思春期に発症する歯肉炎の一種で、通常、12歳から18歳の間に発生します。この病気は、ホルモンの影響で歯肉が炎症を起こすことが原因となります。思春期性歯肉炎は、女性の方が男性よりも発症しやすい傾向があります。   思春期性歯肉炎は、歯肉の腫れや出血、口臭、歯の動揺、歯周ポケット(歯と歯肉の隙間)の深さの増加などの症状が現れます。この病気は、ホルモンの影響で歯肉が腫れ、歯垢や歯石が歯と歯肉の間にたまりやすくなるため、歯磨き不足が原因となることが多いです。   治療のためには、歯科医師によるクリーニングが必要であり、口腔内の清潔状態を保つことが重要です。また、定期的な検診や適切な歯磨きの指導なども行われます。早期に治療しないと、重篤な疾患である歯周病に進行する可能性があるため、早めに歯科医師に相談することが大切です。  

・萌出性(ほうしゅつせい)歯肉炎

萌出性(ほうしゅつせい)歯肉炎は、乳歯が生え変わる時期に起こる歯肉炎です。乳歯が抜け落ち、永久歯が生えてくる際、永久歯の萌出(もうしゅつ)部分が歯肉の下から押し出されるため、その部分の歯肉が炎症を起こすことがあります。   萌出性歯肉炎は、歯肉の腫れや赤み、痛み、出血などの症状が現れます。また、歯磨きをしても歯肉に歯垢が残ってしまうことがあるため、口臭も発生しやすくなります。   萌出性歯肉炎の治療は、歯磨きの指導や、炎症を抑えるための薬の処方が行われます。また、萌出した永久歯の周囲の歯肉を切開して、圧迫を緩和する場合もあります。   萌出性歯肉炎は、永久歯が生え変わる時期に多く発生するため、適切な歯磨きや口腔内の清潔維持が重要です。定期的な歯科検診を受け、歯肉の状態をチェックすることも大切です。  

・侵襲性歯周炎(若年性歯周炎)

侵襲性歯周炎(しんしゅうせいしにくえん)は、歯肉の深刻な炎症を特徴とする歯周病の一種で、かつては若年性歯周炎と呼ばれていました。侵襲性歯周炎は、通常、20歳から40歳の若い成人に発症し、重度の歯肉炎を伴い、歯を支える骨が破壊されることがあります。   侵襲性歯周炎は、口腔内の細菌感染が原因となります。この病気は、歯肉の腫れ、出血、口臭、歯周ポケットの深さの増加、歯の動揺などの症状が現れます。また、この病気にかかる人の多くは、喫煙者であることが知られています。   侵襲性歯周炎の治療には、歯科医師による深部クリーニング、抗生物質の処方、歯周ポケットに対する手術などがあります。また、歯磨きの指導や、口腔内の清潔維持が重要です。   早期に治療しないと、侵襲性歯周炎は、歯周病の進行を促進し、歯を失う原因となることがあります。そのため、歯磨きの際に歯肉に出血があった場合や、歯肉に腫れがある場合は、歯科医師に相談することが大切です。  

▼小児期の歯周病は正しいブラッシングで予防できる

小児期の歯周病は、正しいブラッシングや定期的な歯科検診によって予防することができます。以下は、小児期の歯周病を予防するためのいくつかのポイントです。  

・正しいブラッシングの習慣を身につける

子供が歯磨きをする際には、歯ブラシを45度の角度で歯肉に沿って優しく動かすことが大切です。歯と歯肉の境目や歯の裏側など、歯ブラシが届きにくい場所にもしっかりと磨くようにしましょう。また、歯ブラシの毛先がまっすぐでなく、やわらかいものを選ぶことが推奨されています。  

・正しい歯磨きのタイミングを守る

歯磨きは、食後すぐに行うのが理想的です。食後すぐに歯磨きができない場合は、口をすすいだり、水を飲んだりして口内を清潔に保ちましょう。  

・フッ素を利用する

フッ素は、歯を強くし、虫歯を予防する効果があります。フッ素入りの歯磨き粉やフッ素の塗布などを行い、子供の歯を健康に保ちましょう。  

・歯科検診を受ける

子供は、乳歯が生え始めたら、定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。歯科医師は、虫歯や歯周病の早期発見・治療のためのアドバイスをしてくれます。

まとめ

以上のように、正しいブラッシングやフッ素の利用、歯科検診などを継続的に行うことで、小児期の歯周病を予防することができます。歯の健康を保つために、まず自宅でできることは正しいブラッシングです。歯磨きが嫌いな子供のために、歯磨きタイムが楽しくなるような工夫を取り入れましょう。子供が小学3~4年生になるまでは仕上げ磨きを行うと安心です。 子供の歯は、歯並びだけではなく成長期の身体の発育にも影響するので、小さいうちから正しいブラッシング習慣をつけておきましょう。

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投稿者: 増野歯科医院

2023.06.05更新

歯周病の歯ぐき

坂戸市の歯医者【増野歯科医院】です。

 

歯周病は今では成人の8割がかかっていると言われている疾患です。特に喫煙者や妊婦さん、糖尿病がある人、そしてインプラント治療を行っている人はかかりやすいと言われています。そして、歯周病は大人だけではなく、子供でもなることがあります。なので、大人だけ歯周病に気を付けていれば良いというわけではありません。そもそも歯周病自体はどのような症状なのでしょうか?また、どのような人が歯周病になりやすいのでしょうか?今回は歯周病について解説していきます。  

▼そもそも歯周病とは?

歯周病とは、歯と歯茎を固定する歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる骨と、その周りの歯肉との炎症病気です。歯周病は、歯垢(プラーク)や歯石などが歯肉に付着し、歯茎の腫れや出血などの症状を引き起こすことから始まります。進行すると、歯肉が炎症を起こし、歯槽骨が破壊され、最終的には歯を支える骨が失われ、歯が抜け落ちることもあります。歯周病は、適切な治療を受けないと、慢性的な炎症を引き起こすことがあります。  

▼歯周病になってしまう原因は?

歯周病は、歯と歯肉を支える骨の破壊や歯の脱落を引き起こす深刻な病気です。歯周病は、多くの場合、歯垢や歯石の蓄積によって引き起こされますが、他にもいくつかの原因が考えられます。  

・歯垢と歯石

歯周病の最も一般的な原因は、歯垢と歯石の蓄積です。歯垢は、口の中の細菌、食べ物の残り物、唾液などからなる薄い膜で、歯肉炎を引き起こすことがあります。歯垢が歯茎の下に入り込むと、歯周病が進行することがあります。  

・喫煙

喫煙は、口腔内の環境を悪化させ、歯周病を引き起こすリスクを高めます。喫煙によって、歯茎の血管が狭くなり、免疫力が低下し、細菌が繁殖しやすくなります。  

・遺伝

遺伝的要因が歯周病の発症に関与することがあります。一部の人々は、歯周病になりやすい遺伝子を持っている可能性があります。  

・ストレス

ストレスは、免疫系を弱め、口腔内の細菌やウイルスに感染しやすくします。また、ストレスによって、歯肉が炎症を起こすことがあります。  

・ホルモンの変化

ホルモンの変化は、女性の場合には妊娠、更年期、月経周期などが原因で、男性の場合には、加齢によるテストステロンの低下が原因となります。ホルモンの変化は、歯茎の状態を変化させ、歯周病の発症を引き起こすことがあります。   以上のように、歯周病の原因は複数ありますが、歯垢や歯石の蓄積が最も一般的な原因です。歯周病を予防するためには、歯磨きやフロスなどの適切な口腔衛生を保ちましょう。  

▼歯周病になりやすい人の特徴は?

・喫煙する方

喫煙により、歯周病の原因となる細菌が増殖する一方で、免疫系の働きを弱めることが知られています。具体的には、タバコに含まれる有害物質が口腔内の免疫細胞を攻撃し、炎症を引き起こすため、歯周病にかかりやすくなります。また、喫煙により、口腔内の血流が悪くなるため、免疫細胞や栄養素の供給が十分に行われず、歯周病が進行するリスクが高まります。さらに、タバコの煙によって口腔内が乾燥し、唾液の分泌が減少するため、口腔内のバランスが崩れ、歯周病になりやすくなるとされています。以上のような理由から、喫煙は歯周病のリスクを高めることが知られています。

・妊娠している方

妊娠中の女性は、ホルモンバランスの変化により、歯周病にかかりやすくなります。妊娠中は、プロゲステロンという女性ホルモンの分泌が増加するため、口腔内の細菌が繁殖しやすくなります。このため、歯茎に炎症が起こり、歯周病が進行する可能性が高くなります。また、妊娠中は免疫機能が低下するため、細菌やウイルスに感染しやすくなり、歯周病を引き起こす細菌の数が増えることも考えられます。さらに、妊娠中には妊娠悪阻などの症状があるため、口腔内のケアがおろそかになることがあります。これらの理由から、妊娠中は歯周病にかかりやすいとされています。妊娠中の女性は、定期的な歯科検診と適切な歯磨きケアを行うことが重要です。  

・糖尿病の方

糖尿病は血糖値が高くなる病気ですが、高血糖により免疫力が低下し、細菌感染に対する抵抗力が弱くなります。そのため、糖尿病の患者さんは、口内に存在する歯周病菌などの細菌による感染にかかりやすくなり、歯周病の発症リスクが高くなると考えられています。また、糖尿病によって血管が硬化し、細胞に栄養や酸素が十分に行き渡らなくなるため、歯周病が進行しやすくなります。さらに、糖尿病患者さんは、口腔内の乾燥しやすくなり、唾液が減少するため、口腔内の細菌や歯垢が除去されにくくなります。このため、歯周病の発症や進行が予想されます。糖尿病の患者さんは、歯科医師の指導のもと、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを行うことが重要です。  

・インプラントを入れている方

インプラントは、人工的に歯根を作り、その上に歯を作る治療法です。インプラントを支える部分であるインプラント体は、周囲の骨と直接接触するため、歯周病の進行によって周囲の骨が吸収される可能性があります。そのため、歯周病を発症している人がインプラント治療を行う場合、歯周病の進行を止めない限り、インプラントの長期的な安定性が失われるリスクが高くなります。   また、インプラント治療後の定期的なメンテナンスが不十分だと、歯周病菌や歯垢がインプラント周囲に付着して感染症を引き起こす可能性があります。感染が進行すると、周囲の骨が吸収されるため、インプラントが抜け落ちることもあります。   以上のように、インプラントを入れている方は、定期的な歯科検診と適切な口腔ケアを継続することが重要であり、歯周病の予防・治療を行うことが必要です。  

▼歯周病予防は小さい頃から始めるべき?

歯周病予防は小さいころから行うことが望ましいです。歯周病は、歯垢や歯石の蓄積や菌の繁殖によって引き起こされる炎症性疾患であり、日常の口腔ケアが不十分だと発症しやすくなります。特に、子どもの場合は歯ブラシの使い方や歯磨き粉の選び方、食事のバランスなどを正しく教育することが、歯周病予防のために重要です。   また、歯周病は進行すると、歯周組織が破壊され、歯が抜け落ちることもあります。このような状態になると、日常生活に支障をきたすこともあるため、歯周病予防は小さいころから始めることが重要です。   歯周病予防の基本的な方法としては、歯磨きをきちんと行うこと、定期的な歯科検診を受けること、喫煙を避けること、バランスの良い食事を摂ることなどが挙げられます。小さいころから歯磨きや口腔ケアに慣れ親しんでおくことは、健康な歯や歯茎を維持するためにも大切です。  

▼まとめ

歯周病は生活習慣と密接に関係している疾患です。小児期から口内環境を綺麗に保つ習慣が身についていると、大人になっても歯周病になる可能性が低くなります。子供だからといって口腔ケアと怠っていると歯周病になる可能性が高くなりますので、しっかりと歯科医院での定期検診を行いましょう。

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投稿者: 増野歯科医院

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