歯周病治療


Perio

歯周病は病気の進行度で「歯肉炎」と「歯周炎」に分類されます


歯周病

「歯周病」とは、細菌の感染によって引き起こされる「歯周組織に起こる疾患の総称」です。

「虫歯」が「歯そのもの」が壊されていく病気なのに対し、歯周病は土台となる「歯肉」や「歯槽骨」の病気です。

痛みがないまま静かに進行するため、サイレントキラー(静かな殺し屋)と呼ばれることも。歯周病は、病気の進行度によって、「歯肉炎」と「歯周炎」の2つに分類されています。

歯肉炎


「歯肉炎」とは、細菌感染により、歯肉の部分にだけ炎症が起こっている状態です。まだ骨が溶けていないので、歯のクリーニンでプラークや歯石を除去し、正しいブラッシングをすることで元通りに再生できます。

歯肉炎

歯周炎


歯周炎

「歯周炎」とは、歯肉の炎症が進み、歯槽骨まで溶けだした状態です。骨が溶けて歯茎が下がります。炎症が骨まで達すると、基本的に元には戻りません。

病状の進行を抑え、現状維持を目指すことになります。さらに進行すると、膿が出たり歯がぐらついたりして、最後には歯を抜かなければなりません。

歯周病の目安は「歯周ポケット」


歯の周囲には「歯周ポケット」があります。「歯周ポケット」とは歯と歯肉(歯茎)の境目の溝のことで、歯周病が進行するにつれて深くなります。

健康な歯の「歯周ポケット(歯肉溝)」は1~3mmですが、「歯周炎」になると3mm以上の深い溝に。歯周病ポケットの深さで歯周病の進行度がわかるのです。

歯周ポケット

歯周ポケットの深さ

歯周病の進行度

1~3mm

健康

1~3mm(出血を伴う)

歯肉炎

4~6mm

歯周炎(軽度)

7mm以上

歯周炎(中程度以上)

歯周病セルフチェック


歯周病は歯を失う大きな原因であり、全身の病気との関係も報告されています。以下のチェック項目で早期発見しましょう。

3~5個該当する場合は、歯周病が進行している可能性があります。

歯茎の一部が赤く腫れている

歯の表面がざらざらしている

歯磨きの時に歯肉から出血する

歯の表面がざらざらしている

歯がぐらぐらする

口臭が気になる

時々、歯が浮いたような感覚になる

歯と歯の間に食べカスが詰まりやすい

歯茎から膿が出たことがある

歯茎が痩せてきている

これらの部位をしっかりセルフケア(歯磨き・フロス)を行うことで、虫歯のリスクを下げることができます。

歯周病は全身の疾患に繋がることもあります


歯周病は自覚症状が少ないため放置する方もいますが、歯周病は自然治癒することはありません。放置すれば確実に症状が進行し、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまいます。

さらに歯周病は、全身疾患との関連性を裏付ける研究結果が多数報告されています。

歯周病を放置した結果、細菌や毒素などが血流を通して全身に運ばれて、

頭痛い女性

心筋梗塞

慢性腎臓病

脳梗塞

虚血性心疾患

早産動脈硬化

誤嚥性肺炎

糖尿病

関節リウマチ

非アルコール性脂肪肝炎

アルツハイマー型認知症

などの全身疾患に繋がるのです。歯周病は健康寿命に関係があることを知っておきましょう。

当院の歯周病治療


当院では、歯周病治療として以下の治療を行っております。

基本はクリーニング・メンテナンス


歯周病治療の基本は、歯周の汚れの除去で、具体的にはクリーニングとメンテナンスを行います。歯周病は、プラーク(歯垢)や歯石を除去しない限り、病状が進行するからです。

患部が骨に達していない「歯肉炎」の場合は、歯医者でのクリーニングでプラーク(歯垢)や歯石を除去し、正しいブラッシングを行うことで治ります。ホームケアだけでは隅々まで汚れを落としきれないので、PMTCなどのプロによるクリーニングを受けるのがおすすめです。

しかし患部が歯槽骨まで進んだ「歯肉炎」の場合は、基本的に元に戻りません。現状維持しかできないため、炎症が収まっても、歯槽骨が溶けた分、歯茎が下がります。歯茎が下がると、歯ブラシが行き届きにくくなり、根元の虫歯や歯周病が再発しやすくなります。

そのため、再生できる「歯肉炎」のうちに治療することが重要です。歯周病は基本的に無症状なので、歯医者の定期検診で現状を把握しておくことをおすすめします。

歯科検診

生活習慣などの「環境」についてアドバイスします


当院では、歯科衛生士によるクリーニングやブラッシング指導に加えて、患者さんの生活習慣などの「環境」を診ることを大切にしています。

一日中何か物を食べているなどの生活をしている人は、食べカスの汚れが溜まった状態を長く続けていることになり、口内で細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまっています。

生活習慣まで踏み込んでアドバイスを行うことで、歯周病の根本的な原因にアプローチできるのです。

増野光彦院長 治療について説明

位相差顕微鏡を用い、口内細菌の分析をします


口腔内には無数の口腔内細菌が常在しており、歯周病や虫歯の原因となっています。

当院では、位相差顕微鏡(いそうさけんびきょう)を使用して、患者さんのプラーク(歯垢)を検査し、口腔内細菌の種類や量を調べます。

その患者さんの歯周病のなりやすさ、進行度合い、今後どうなっていくかなどについて知ることができます。

口腔内細菌

ブラッシングの力を測定してご指導します


歯周病の原因には、細菌によるもの以外に、不適切な力によるものがあります。強い力で磨くと、歯ブラシの毛先が開いてしまい、プラーク(歯垢)が落ちない上に、歯や歯肉も痛めてしまいます。

毛先がつぶれない真っ直ぐな状態で軽く磨くのが正しいブラッシングです。1~2mmの範囲で細かく動かすのが正解で、力を抜いた方が楽に磨けます。

とはいえ、自分が力を入れて磨いているのかどうかを判断するのは難しいかと思います。

当院では、ブラッシング時の力の入れ方を客観的に把握するため、専用の測定器で歯ブラシが歯にかける圧力を測定し、ご指導させていただいております。

歯磨き圧測定器

歯周病と口臭の原因は同じです


鼻をつまんでいる女性

口臭の最大の原因の一つが歯周病です。歯肉からの出血による血液成分が、嫌気性歯周病原細菌を増殖させ、口臭を生み出します。

口臭が気になると良好なコミュニケーションが取りにくくなるため、適切な口臭ケアも健康な口腔環境に欠かせない要素です。

当院では、乳酸菌で口内細菌の改善をはかる「プロバイオティクス」を使った治療を行っております。「プロバイオティクス」で免疫力をアップさせることで、虫歯や歯周病の予防に繋がるのです。歯周病・口臭にお悩みの方は一度ご相談ください。